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54才の留学生

ハンドルを最後に握ったのは、数年前。

その前に車を運転したのは、それからさらに数年前。

日本でもこのところほとんど自分では運転していなかった。

車社会のロサンゼルスで運転できないことは、生活の質にかかわってくる程までに車は必須アイテムだ。

しかし、娘が運転してくれるので実際には日々の生活の中でさほど不便は感じなかった。

ウーバーやリフトなどの配車サービスが充実しているのも大きな要因だ。

だがここにきてCOVID-19の影響で配車サービスの利用も今までとは違うものとなってきた。

身分証明書替わりになるからとドライビングライセンスを取ることにしたのが、春のロックダウン前。

現在はペーパーテストのみパスした仮免状態。

来春までに実技をパスすればいいことになっている。

郵便局に行きたいけれど、娘は先日のお尻の負傷から回復途中。。。

一大決心をして、運転席に座る。

ブレーキから足を離しアクセルを踏み込んだ瞬間、

とてつもなく解放感に包まれる。

最高だ!! 

こんなにも心躍ることになるとは思いもしなかった。

もっと早く運転すればよかった。

なかなか思い通りにならない日々の中で、自分で運転し何かが出来ることを認識できたことは、この上ない喜びの時間をもたらしてくれた。

ひとつ自信を取り戻し、目の前が明るく広がった瞬間を覚えていたい。

車を運転することは、単なる利便性の為だけではないことがよくわかった。

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